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特別講演「都市のインテリアは存在するか」
 
                           
 
 大会を広島で開催するに当たって、支部では歴史都市尾道の空き家再生活動に焦点を当てることとし、講師の高橋鷹志先生には、「エクステリアもインテリアではないか」との日頃の先生のご発言を我が田に引いて、「都市のインテリアは存在するか」とのテーマでご講演をお願いした。
  
 高橋先生のご講演は、一枚の講演要旨説明から始まった(スライド画面)。インテリア(内部空間)の一般的定義は、エクステリア(外部空間)相対して述べられる。しかし、環境行動的定義によれば、インテリアは内部外部共に存在する「人の行動の周辺環境」を指す。すなわち公私の融合状態、都市空間でいえば歩道上で実現される行動様式とその環境である。以上により都市のインテリアは存在するが、しかし今日、障害物、不快物、不快な行動による都市のインテリアの浸食が問題となっている。
 
  以上の仮説的前提のあとで世田谷区のご自宅から最寄り駅までの散策コースを題材にとって、愛してやまない(だからインテリアであると結論する)わが街の、ミチ、住宅、商店、建物と建物のすき間、パーキング、電柱等々の、それぞれの持ち主管理者の怠慢を大いになげき嘆息するスライドショーを快演された。聴衆諸氏は、帰ったら早速自宅の周りを片付けなくては−と思われたに違いない。張り紙だらけの街角に、歳の功を活かして「張り紙するな」との張り紙を貼ってやろうかと思われているとのこと。快事件のニュースを、ぜひ楽しみに待ちたい。
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